COLUMN ~私とH-IIAロケット~

福西 瑛司
現所属:宇宙輸送技術部門 宇宙輸送安全計画ユニット
当時のH-IIA担当業務
入社した2011年から2013年までは種子島宇宙センターで気象係を担当し、打上げGo/NoGo判断に使用する風の観測等を行っていました。
2014年以降現在に至るまで飛行安全を担っています。(50号機は入社以来H-IIAとしては通算32機目の打上げ)
最終号機を迎えるH-IIAロケットへのメッセージ
2011年に入社して以来、H-IIAロケットとしては19号機から打上安全監理業務に携わってきており、種子島宇宙センター勤務時代には気象として風観測や雷観測を、
また現在の部署ではロケットの飛行に対して安全を確保する立場として、各種解析/評価、及び打上げ運用を行っています。
H-IIAロケットに対する解析/評価を行う上で、SRB-Aやフェアリング、1段機体といった投棄物の落下予想区域の設定作業は、
航空機や船舶の航行に対し影響を与えるものであり常に最適な区域設定が求められる重要な解析作業の1つでした。
そこで、過去のH-IIAロケットの投棄物の落下予測範囲を1つ1つ計算/詳細評価し直し、実績結果にもとづく投棄物落下予想区域の設定に対する計算手法の再構築を行い、
その結果として41号機以降、落下予想区域を従来のものにくらべ大幅に小さくすることを可能としました。
この成果は今に続く年間で多数の打上げを行うにあたっての関係機関のご理解・ご協力を得る上で微力ながらも貢献することができたと思っています。
また、打上げ運用では24号機から49号機まで、飛行安全を担うものとしてテレメータデータを表示する管制画面の前でH-IIAロケットの飛行を見守り続けてきました。
機体がリフトオフしてから軌道投入されるまでの緊張と衛星が分離されミッションが達成された時の安心感は何度経験しても変わりません。
50号機の打上げというH-IIAロケット最終号機のミッションに対しても、機体が安全に飛行し軌道投入されることを「厳しい目線」で支え、最後の衛星分離を「優しいまなざし」をもって見届けます。