COLUMN ~私とH-IIAロケット~

香河 英史
現所属:
宇宙戦略基金事業部
当時のH-IIA担当業務
H-IIA第2段搭載RCS(姿勢制御)装置の維持設計
ヒドラジン触媒・国産ヒドラジン・国産シール材・チタン材などの枯渇対応
最終号機を迎えるH-IIAロケットへのメッセージ
H-IIAに採用された第二段RCSは、H-IIからの継続搭載品で、運用開始してからの年数が長く、数多くの主要な構成品の生産停止が起き、その都度、切り替えの評価試験を行った。一度に起こったわけではなく、いろいろなタイミングで発生したことから結構長きに渡って携わることになった。
RCSは、衛星側でも共通な材料を使っていることもあり、触媒の枯渇時には、H-IIAで保持していたRCSの在庫切れよりも早く評価に着手していたので、非常にスムーズに触媒の切り替えができた。共通技術の横通しは重要だと良い知見を得られた。
本経験も併せ、RCSでは、プロジェクト・部門を超えた技術交流を実施してきており、知識の世代間の蓄積などに貢献できたと思う。H3ロケットなどでもぜひ続けてほしい。