COLUMN ~私とH-IIAロケット~

油布 和也
現所属:MHI 宇宙事業部 営業部 基幹ロケット推進グループ長

当時のH-IIA担当業務

営業部 営業担当

最終号機を迎えるH-IIAロケットへのメッセージ

わたしは入社した2003年に、H-IIAロケット6号機の打上げ失敗という厳しい現実をいきなり目の当たりにすることになりました。 その後は、パートナー企業さんを含めた技術力と関係者の打上げ成功を追求する熱意により、7号機以降49号機まで連続成功を続けることが出来ました。

わたしはH-IIAの営業パーソンとして、お客様や衛星事業者様との契約交渉を長年担当してきました。 ロケットをお客様に納入〔ロケット製造請負形態〕していた時期もありましたが、2007年のH-IIAロケット13号機からは、お客様の衛星等を宇宙の所定の軌道にお届けする「打上げ輸送サービス」事業を進めています。 サービス形態への移行時、従来の製造請負とは異なるサービス事業化に伴う商務条件への変更交渉も良い経験となりました。

お客様の衛星や我々のロケットに何等かのトラブルが発生した際には、打上げ時期等を複数のお客様との間で同時に調整する機会が多くあり、また2018年の宇宙活動法施行以降は、我々打上げ事業者の責任がより一層明確化され、社内外との協議により事業環境整備を一つ一つ進めてきました。
そうした苦労を乗り越え、打上げに成功した時のお客様の歓喜、そしてその衛星が取得する多くの情報(通信、気象、測位、安全保障等)が多くの皆様に有益に利用されていることが大きな喜びです。

国内外の多くのお客様に、H-IIAを選定していただき、大事な衛星を託してもらいました。
これまで仕事上の大きな喜び、貴重な経験を得ることができたのは、H-IIAのお陰です。ありがとう!
「彼方への 宙を翔けゆく 君の跡 新たな扉 次代を開く」

皆さま、残すところあと一機でととのう最終号機の応援をよろしくお願いします!!

営業部一部メンバー(左端が筆者)