COLUMN ~私とH-IIAロケット~

北西 駿典
現所属:MHI 宇宙事業部 品質保証部 エンジン・機器係長
当時のH-IIA担当業務
品質保証担当
最終号機を迎えるH-IIAロケットへのメッセージ
私は入社後に品質保証部門に配属となり、H-IIAロケットの配管溶接工程の品質保証を担当し、その後はH-IIAロケット機体の構造組立、タンク、艤装や種子島まで、幅広い工程の品質保証担当としても携わらせて頂き、本当に多くのことを学び/経験させてもらいました。
印象に残っているのは、F29号機での高度化開発・機体製造です。ちょうどこの時期は、H-IIAロケットのプロジェクト品証担当として、各工程だけでなくH-IIAロケット全体の品質保証を担当することになった時期でもありました。
高度化開発はH-IIAロケットでは久し振りの大規模開発であり、品質保証の観点でも新しく検討/実施しないといけない内容も多く、諸先輩方の経験/知見を頼りつつ、何度も試行錯誤しながら対応したことが記憶に残っています。
また、F29号機は204形態(固体ブースタ:SRB-A 4本搭載)で、18機ぶり/約9年ぶりの形態でもありました。
変更/改善点の評価充実化などトラブル未然防止すべく色々な活動を進めたものの、製造中には様々なトラブルが発生し、お客様含めた関係各所との調整などに走り回り苦労しましたが、他の号機以上に多くのことを学ぶことが出来る貴重な機会だったと感じています。
その後、H3ロケットの開発時期からロケット機体の品質保証を、今年度からはH-IIA/H3ロケットのエンジンの品質保証を担当しています。
H3ロケットの開発/製造の中では本当に色んなことがありましたが、H-IIAロケットから得た多くの経験・知識があったからこそ、何とかやり遂げることが出来たと感じています。
H-IIAロケットには改めて感謝の気持ちでいっぱいです。最終号機を残すのみとなり、若干の寂しさを感じていますが、有終の美を飾りH3ロケットへバトンを繋げるように引き続き頑張ってまいります。

H-IIA F24号機打ち上げ(初めてにして唯一、生で打上げを見れたもの)