COLUMN ~私とH-IIAロケット~

藤掛 功
現所属:MHI 宇宙事業部 技術部 計画管理グループ長

当時のH-IIA担当業務

技術部 構造設計担当

最終号機を迎えるH-IIAロケットへのメッセージ

ロケットに携わる仕事に憧れていた私が入社後、初めて関わったのはH-IIAロケットのF6号機でした。 初めて訪れた種子島では、衛星を搭載したフェアリングを衛星組立試験棟からロケット組立棟まで移動し、2段機体に搭載するというタスクを担当しました。 初めての経験に喜びと緊張感が入り混じりながら、タスク完了後の組み上がったロケットを誇らしげに見上げたことを今でも鮮明に覚えています。 残念ながらこのH-IIA F6号機は、H-IIAロケットの中で唯一の失敗ミッションとなってしまいました。 ただ、その後の打ち上げ再開(RTF: Return To Flight)に向けた先輩方の取り組みを間近で学ぶことができた経験は、H3開発にシッカリと活かすことができました。

その後は、主に衛星搭載系のハードウェアや衛星インターフェース関連システム設計を担当し、お客様の衛星を所定の軌道まで運ぶという大きな使命を常に意識しながら取り組んできました。 業務の中では種々課題への対応など、苦しいことも多くありましたが、責任の重さを感じながら、緊張感を持って顧客の皆様、衛星メーカ様、JAXA様、パートナー様の方々と共に、ミッション成功という大きな目標に向かって走り続けることは、何物にも代えがたいやりがいに満ちたものでした。

H-IIAロケットの有終の美を飾り、H3にしっかりとバトンを渡せるよう、引き続き努力してまいります。

H-IIA 2段システム燃焼試験(CFT-A)準備@田代試験場

H-IIA F8(ALOSミッション)
衛星/衛星分離部結合後(当時衛星分離部担当でした)。