COLUMN ~私とH-IIAロケット~

森 有司
現所属:
JAXA 宇宙輸送技術部門
事業推進部 部長

当時のH-IIA担当業務

1998年頃から2000年までH-IIA初号機に搭載予定(当時)であった欧州宇宙機関、ESAアルテミス衛星とのインタフェース業務に従事。
2005年以降は事業推進部としてH-IIA運用フェーズにおける全体計画の企画・調整ならびに打上げ時の情報連絡、危機管理業務に従事。 2011年には、H-IIA高度化プロジェクト(正式名称:基幹ロケット高度化プロジェクト)を立ち上げ、国際競争力強化に資する研究開発業務に従事(3年間)。
以降、事業推進部および経営企画部のマネージャとしてプログラム視点でのH-IIA全体計画の企画・調整業務に従事。

最終号機を迎えるH-IIAロケットへのメッセージ

我が国の宇宙開発、ロケット開発の歴史を通じて、初めて約20年に亘る長期運用を経験した初のプログラム的な事業となりました。 私を含め、ロケット開発、運用業務に従事したJAXA内外の関係者が多くの経験を積むことができ、今後、熾烈な競争環境にある世界市場で戦う上で、細かな気付きを含め、期待以上の成果を生んだものと考えます。 この間、JAXA衛星だけでなく、多くの重要な政府衛星や商業衛星を受注し、安定的かつ連続して成功裡に打ち上げられたことは、ロケット事業に携わる多くの関係者の誇りと自信にもつながったものと考えます。 これら培われた技術基盤、人的基盤は国の貴重な財産。次の世代に着実につなげていくことが現役である我々の使命と感じています。