COLUMN ~私とH-IIAロケット~

齊藤 靖博
現所属:CALLISTOプロジェクトチーム

当時のH-IIA担当業務

入社直後からH-IIA7~13号機の7機連続で飛行解析班 or 飛行安全班として種子島宇宙センターでの打上げ隊業務に従事。 また、新規ミッションとして、H-IIAでの初の惑星ミッション(F17)やはやぶさ2(F26)を実現させたこと、F30から雷制約を一部見直せたこと、は当方の数少ない成果。

最終号機を迎えるH-IIAロケットへのメッセージ

H-IIAロケットには育てて頂いた感謝が大きい。入社直後からH-IIA7~13号機の7機連続で飛行解析班 or 飛行安全班として種子島宇宙センターでの打上げ隊業務に従事することで、ロケットのイロハを学んだ。
その経験を礎に、H-IIAでの「初の惑星ミッション(F17)」や「はやぶさ2(F26)」を実現させたことはその後の業務への自信に繋がった。 前者は、他部門にいる惑星ミッションの専門家と出発日と到着日の組合せや蝕条件など討議を重ね、勉強しながら実現にこぎつけた。 後者は、一旦諦めたミッションであったが、あるヒラメキからメーカの協力も得つつ実現性を少しずつ詰め実現した。どちらも苦労したが、嬉しかった思い出が大きい。
加えて、ロケットを困らす雷。この制約に目をつけて見直しに取り組んだ。航空機を改造して米国から借りたセンサを付け上空の電場を測定する。 その際にレーダ観測などを同時に行うことで打上げ制約への落とし込みを図った。雷の専門家ではない我々だけでうまくいく訳もなく、当初は多方面から責められた。 しかし、雷についてもしっかり学び、雷タスクフォース委員会を設置し、さらに米国の同等の雷委員会の支援も頂くことで制約を一部見直すことができた。
ロケットの打上げはいつも感動する。閃光、轟音、そして振動。生で見るとなおさらだ。H-IIAロケットありがとう、次は再使用か有人か、自分たちが新たな宇宙輸送システムを育て、感動を与える番だろう。

初めて見るロケットをバックにOJT担当の師匠とともに