「LE-5B-3」エンジンは、これまで日本が培ってきた第2段エンジン技術を踏襲し、H3ロケット用に新たに開発しました。
元となる「LE-5B」エンジンは、H-IIロケット用に開発された「LE-5A」エンジンと同様に軌道上で複数回燃焼させることができる複数回着火機能を持ち、「H-IIA/H-IIBロケット」の第2段エンジンとして適用されています。
LE-5B系のエンジンではエキスパンダーブリードサイクルを採用しており、燃焼室の冷却に使った推進薬(液体水素)をターボポンプ駆動用のタービンガスとして使うユニークな燃焼サイクルです。 H3ロケットの第1段エンジンとして採用された「LE-9」も同じ燃焼サイクルを採用しておりより大推力が出るよう大型化しました。
                        
                        LE-5B-3の概要
| 真空中推力 | 137kN | 
|---|---|
| エンジン混合比 | 5 | 
| 真空中比推力 | 448sec | 
| エンジンサイクル | エキスパンダブリードサイクル | 
| 推進剤 | LH2/LOX | 
| 膨張比 | 110 | 
| LH2ターボポンプ 駆動ガス温度  | 
                                約400K | 
| LH2ターボポンプ回転数 | 約52,000回転/min | 
| LOXターボポンプ回転数 | 約18,000回転/min | 
| 全長 | 約2.8m | 
| 質量 | 約300kg | 
| 最大径 | φ1690mm | 
| 燃焼秒時(100%推力) | 740秒 | 
| 燃焼秒時(アイドルモード) | 250秒 | 
| 着火回数 | 3回 | 
©Japan Aerospace Exploration Agency