鹿児島宇宙センター
射場技術開発ユニット
種子島宇宙センターで射点・衛星系として地上設備の維持・保全・更新を担当しています。 また、新たなオペレーションに対する設備の改善、開発対応、衛星ユーザ要望による設備の改善対応にも取り組んでいます。 その他、将来の射場に向けて、保全自動化などの新技術活用に関する研究を行っております。
子供の頃から宇宙に対し、漠然とした憧れを持っていました。しかしながら、ずっと建設業界で育っており、夢は夢として割り切っておりました。 ある時、JAXAのキャリア採用のページを眺めていたところ、地上設備の維持・保全という、これまで培ってきた経験を宇宙に活かせる道筋が見えたことから転職を決意しました。
H3ロケット5号機の機体移動後、ロケットを運んだ移動発射台の返送に立ち会う様子
ロケット本体に関しては素人と同じですので、毎日、知らない言葉を覚えて、ロケットとは何か、どのように打上げるのか、だれが関わるのかといった基本的なところをひたすら学ぶ毎日でした。 丸4年が過ぎ、より一層深く広い世界が広がり、好奇心を刺激しない日はありません。前職までの業務経験を必ずしも活かせるわけではありませんが、仕事の取り組み方や柔軟な考え方といった私自身の経験は十分に活かせております。
やりがいを感じるのは、なんと言ってもロケットの打上げです。打上げが成功するまでは緊張しっぱなしですが、打上げ成功の報を聞いた時の喜びと、その後の「おつかれさま」の一言は本当にやり切った感のある気持ちのいいものです。これまでの仕事では感じられなかった感覚です。
大変なこととしては、業務量が多いことです。打上げに関わる設備は多岐に渡り、その設備数も多くなっております。老朽化している設備もあり、手がかかることこの上ありませんが、手のかかる子ほどかわいいというもので、今では各設備達に愛情をもって接しております。自分たちの設備が宇宙へ続く道なのだと思うと誇りに思います。
私自身はロケット本体や衛星本体よりも、それらを宇宙に送り出す地上設備に向き合っていきたいと考えています。将来の宇宙産業を見据え、ロケットや衛星に求められるもの準備し、滞りなく宇宙への道を繋げることが使命だと考えています。
少しだけ欲を言うならば、月面基地には興味を持っています。月面に据え付けるべき地上設備に携わることが出来たらとても面白いと考えております。
©Japan Aerospace Exploration Agency